アイが見たかった世界? 「アイドル」MVラストシーンに込められたアニメーターの想い
でも、“安定”というのが僕には合わなかったのかもしれません。会社から給料を支払われて仕事をする環境だと、自分のやりたい作品に舵が切りづらい。フリーになった時、一人で全責任を負う状況になったと同時に、自分の人生を切り開いていってる楽しさがありました」
’17年に上京し、その1年後に大きな転機が訪れる。
「あの頃、僕はアニメ作りに疲れていて、業界を辞めるつもりでいたんです。そんなある日、知人から『友達が働いているアニメ会社の制作さんが、作画ができる人を募集してる』という話を聞きまして。お小遣い稼ぎぐらいの気持ちで仕事をしたら、すごく褒めてもらえたんです。それで、単純なんですがもうちょっと頑張ってみようと(笑)。その頃、僕の好きな小説がアニメ化されると聞いて、制作さんに『担当の方を紹介してもらえませんか?』とお願いして繋いでくださったんですが、担当の方には『まだその企画は動いていないので、別の仕事をお願いできませんか?』と言われました。
それが『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』第3話のED『チカっとチカ千花っ』。その映像が話題になりまして、無名だった自分がいろんな方に知っていただくきっかけになりました。