精神科医・名越康文「他人との比較は地獄の入り口」 個性との上手な付き合い方6つ
名越:つまり選ばれる側=発信側の個性が今まで以上に重要、と。
ひらりさ:はい。だけど社会は複雑だから、たぶん「型」が必要。ある程度わかりやすい型の中で遊び、自分らしさをブランディングできた人がウケている気がします。
名越:面白いな。型の中で遊ぶというのはとても日本的ですね。
ひらりさ:そもそもエンタメにおけるキャラや個性は、エンタメ用に作られたもの。その人の実像とはズレがあると認識した方がいい。
名越:その通り。エンタメに限らず、「一人の人間に個性はひとつ」は幻想です。対人関係において、人はパーソナリティのカードを何枚も持っている。「相手によって人格は変わる」のが当然なんです。
ひらりさ:SNSだとその辺は了解されていて、複数アカウントを持つのも浸透してます。ただ誰でも発信できる分比較対象も多すぎて、全部見てたら確実に病みます。
名越:「私はみんなみたいに個性的な生活を送れてない。個性がないんだ」と落ち込んでしまうか、逆に自分の個性はこのリア充な人たちから浮いている、と悩むか。
ひらりさ:でも、1日1枚インスタにキラキラ写真をあげてる人が、24時間キラキラなわけじゃない。それは編集された個性です。