絶世の美男子・光源氏は罪な男!? 『源氏物語』に見る、平安恋愛のレアケース
一方、中流階級以下の女性の恋愛成就は、和歌の上手さが決め手に。気の利いた歌を返せることが、恋心をくすぐるカギ。この時代は、女性がすぐになびくより、ツンデレくらいが男性に好まれたよう。何度か和歌をやり取りして、お互いよければ男性が女性の家を訪ね、顔合わせへ。
恋における和歌の重要性
男女の交流が和歌から始まるように、和歌は恋に必要不可欠。その優劣によって恋の行方が変わってくるため、代筆を頼む人もしばしば。そもそも和歌には恋にまつわるものが多く、和歌そのものが恋のためにあるといってもいいほど。会えるか会えないか、ドキドキしている時にこそ有効で、『和泉式部日記』が、和泉式部と敦道親王の恋の成就で終わっていることからも、察せられる。
『源氏物語』に見る平安恋愛のレアケース
『源氏物語』は、絶世の美男子・光源氏を主人公とした恋愛小説。天皇の息子である光源氏は、年齢も身分も様々な女性たちと恋をする。「なかでも有名なのは、藤壺と紫の上です。藤壺は光源氏の父帝の后であることから、道ならぬ恋。藤壺の姪の紫の上は幼い頃から目をかけ、ずっと愛し続けた正妻です。ほかにも『源氏物語』のなかには、個性豊かな女性が数多く登場します。