独特な文体にも注目! 大田ステファニー歓人「推敲に超時間かかるし、結局めっちゃ疲れます (笑) 」
自分で買うようになって今でも好きなのは、金原さんや川上さん、町田康さん、村田沙耶香さん…、町屋良平さん、津村記久子さん、干刈あがたさん。って感じで、この数年だと、千葉雅也さんの『エレクトリック』も永井みみさんの『ミシンと金魚』もめっちゃよかったし、あと山下澄人さん、井戸川射子さん…」
ふだんの読書はKindle派だそう。インタビュー中にスマホでKindleの本棚を眺めながら、惹かれた作家や作品を挙げてくれたステファニーさん。謙遜するが、かなりの読書家。
「うちがグッとくるのってたぶん、知らん奴の日常が一人称で語られる作品。どっか自分と通じるとこを探したり、その世界に放り込まれる感じが好き。もちろん能動的にフィットしにいってんだけど、そもそもフィットするために飛び込ませてくれる器がそこにあるからなんだろうなと。うちもそういう語りを大切に書いていきたいですね」
『みどりいせき』は、言語化された翠の自意識や身体感覚が、読みながらひしひし体感できてしまう稀有な一作。
日本文学の可能性を拡張した作品と語る識者も多い。集英社1870円
おおた・すてふぁにー・かんと1995年、東京都生まれ。