倉科カナ「可愛さに翻弄されていました」 “猫キャスト”も出演する『三日月とネコ』撮影裏話
3人の絶妙なバランスは自然に作られていったと思います。監督はお芝居から生まれる空気感を大事に撮ってくださる方で、出会いのシーン以外はほぼリハーサルなしの一発撮りで進みました。私たちは控室が一緒で、たわいもないことをよくしゃべっていたのですが、渡邊くんが猫の待機部屋にしょっちゅう行っていたのが印象的でした」
役者を虜にした猫たちもまた、この物語に欠かせないキャストだ。
「もちろん思い通りにならないので大変でしたが、それよりも可愛いが先にきていました(笑)。メインのミカヅキはすごく美しい子で、灯の愛猫のまゆげは人見知りもせず、誰よりも人たらし。現場のみんながその可愛さに翻弄されていました」
鹿乃子は35歳の精神科医。心理が見えにくくミステリアスな印象も持つが、どのように演じたのだろう。
「原作ではもっと鹿乃子の人間性について描かれているのですが、映画ではその部分が割愛されていたりもしたので、原作から彼女のバックグラウンドを自分なりに汲み取りながら演じました。
陽の2人に対して、やや陰の雰囲気を纏う鹿乃子を演じるのは少し難しかったかな。もともと私は、活発な性格なんです(笑)。完璧そうに見える鹿乃子ですが、部屋の片付けや料理が苦手な一面もあって、そのギャップが魅力のひとつ。