KEN THE 390と#KTちゃんが“ラップ”と“自己肯定感”を分析 「まずは日記をBGMに乗せて読んでみて」
主語はほとんど「俺が」で始まり、内容は“俺のストーリー”ばかり。今でいう“自己肯定感が高い”ってことなんでしょうね。自分のことを好きじゃないとそんなリリックは書けないし、それがカッコいいと思ったんです(笑)。
#KTちゃん(以下#KT):わかります!(笑)
――言いたいことや主張を人前ではっきり言葉にできるラッパーって、自己肯定感高そうに見えますが…。
#KT:ヒップ・ホップやラップをあまり知らない方からしたら、イカつい感じとか、見た目から近寄りがたいイメージを持っているかもしれません。でもそれぞれが音楽を愛し、言葉を生み出すという繊細な表現をしながらも、エネルギーを届ける人たち。ネガティブなことでもあえて言葉にすることで、前に突き進んでいく強い人、という印象です。
KEN:ネガティブの要素って、人と違うからでもあると思うんです。
でもそれを個性と捉えて、曲にして自己発信することで“俺は他の人と違うぞ”ってポジティブに変換していけるのがラップの強み。ある意味、ネガティブな自分を自己受容する、セラピー的なものであるとも思う。――すごく興味深いです。
KEN:例えば“俺は集団行動になじめないし、そんな自分が嫌いだ”みたいなリリックの曲があったとして、それを聴いた人の中にまったく同じではなくても共感する瞬間があれば、身近に感じる。