岸井ゆきの、阿部サダヲや皆川猿時は「ドラえもんみたい」 松尾スズキの傑作舞台に挑む
「稽古場で見ていても一番エネルギーを感じる」とは岸井さんの阿部さん評。
「私は、今もまだ松尾さんの作品に出られることが嬉しくて興奮しちゃってる状態ですが、阿部さんや皆川(猿時)さんはドラえもんみたいなんです。阿部さんはポケットから次々違う武器を出すし、皆川さんはたくさん鞘を持っていて、いろんな出し方をしてくる。自分の四次元がいかに狭いかを感じます。でも、みなさんすごく楽しんでいますし、私も楽しまなきゃと思っています」
世間ではタブー視されるものをあえて取り上げ、人間の歪さを露悪的なほどに容赦なく描き出す。そのシニカルな視点は、安っぽい同情やヒューマニズムなど寄せ付けず圧倒的パワーを持って迫ってくるが、それでいながらどこか切なさや人間賛歌を感じさせるのが本作の魅力だ。
「すごくダークな題材にもかかわらず笑いや爽快感があって、エンタメに昇華してくれている感じがするんですよね。あと、登場人物それぞれに境遇や背景が濃く描かれています。
フクスケに限らず、いろんな障がいや事情を抱えた人が出てきますが、みんな同じ世界にいるんだって感じていただけたら嬉しいです」
COCOON PRODUCTION 2024『ふくすけ2024―歌舞伎町黙示録―』盲目の妻サカエ(黒木)