騙される快感がクセになる!? 大胆不敵な双子の“地面師”が暗躍する『オッドスピン』
地面師という存在をご存じだろうか。土地の所有者になりすまし、金を騙し取る詐欺師なのだが、菅野カランさんは演劇が好きで、本作『オッドスピン』のアイデアもその流れで思いついた。
クールでかわいくて、大胆不敵!「地面師」になった双子が暗躍。
「演じることや嘘をつくことについて考えるのが好きで、詐欺師にも興味を持っていました。いろんな詐欺があるなかで地面師にしたのは、お金は隠したり、移動させたりできるけど土地はそうじゃない。なのに人間が“持つ”という感覚が不思議だったから。2017年に五反田で大きな詐欺事件が起きて、結構ニュースになったのですが、そのスケールに衝撃を受けたのもありますね」
地面師として暗躍するのが、「英(えい)」と「蛍(けい)」という双子。ふたりの母は土地を騙し取られた過去を持つのだが「なんとなく面白そう」という理由で、母を騙した人物の後を継ぐ。
「善い行いを完遂することって、モチベーションのあり方としては単純といえますが、詐欺のような悪いことは、最初から最後までどうやってモチベーションを保ち続けるのだろうと思って。モチベーションを保つエンジン担当と、手を動かすハンドル担当に分業することによって、ひとりだとくじけてしまいそうなこともできる気がして、双子がピタッとハマったんです。