りんごを見つめていたら満天の星が見えてきた!? 「見立て」の面白さを世に広める、鈴木康広の個展
NHK Eテレの番組『みたてるふぉーぜ』の制作に携わるなど、「見立て」の面白さを世に広めるアーティスト、鈴木康広さん。都内では初めての個展が間もなく始まる。「見立て」とは、そもそも和歌やお茶の世界で用いられてきた手法。利休が漁で使う魚を入れる魚籠(びく)を花入れとして取り入れたことも「見立て」なら、紅葉を錦になぞらえて詠むことも「見立て」。伝統的にその道を豊かにする遊び心やテクニックとして用いられてきた。
「見立て」で発見!何でもないモノたちの別の顔。
鈴木さんの作品ではりんごや葉っぱなど、どこにでもあるものが題材。見立ての力で想像力をジャンプさせ、ユニークな作品に仕上げて観る人を驚かせる。
例えば、《りんごの天体観測》という作品は、じっとりんごを見つめていたら、表面の斑点が満天の星に見えてきたという自身の体験をきっかけにしているそう。
「『何かに似ている』と気がついて、それを別の何かに置き換える。発見を別の形に転換するプロセスにこそ、鈴木さんの創作の源があります」
と本展を担当するBunkamura ザ・ミュージアムの鳥屋めぐみさん。
「作品を『こう見なきゃいけない』という正解はありません。