小島秀夫「髭と眼鏡が僕のアイコン」 自身の“ヒゲとメガネ”の歴史を振り返る
『MGSV』(注4)や『デス・ストランディング』(注5)でもコラボが実現した。
先月、“HIDEO KOJIMA×J.F.REY”(注6)の第二弾となるラインナップが発表された。ここには、僕のアイデアと経験が取り込まれている。例えば、サングラス。僕はサングラスにも度を入れる。日差しがきつく、紫外線の多いLAではサングラスが必須だ。そこで眼鏡を外し、サングラスをかける。夜になって、レストランへ行く。
蝋燭がゆらめく大人の雰囲気の洒落たレストランだ。ところが、鳥目の僕はサングラス越しではメニューが見えない。外すと、今度は文字が読めない。だからサングラスをしている時は、通常の眼鏡を首元にかけている。室内に入ると、眼鏡にかけ替え、サングラスを首元に。なんとも不自由な眼鏡生活を強いられてきた。そんな経験から生まれた究極のサングラス(HK×JF08+CLIP)が今回のラインナップ(注7)にも入っている。サングラス部分が上下に可動して、度の入ったレンズからずらせるようになっているのだ。
“髭”と“眼鏡”が僕の“貌(かお)”からなくなれば、他人からはどう認知されるのだろうか。アイコンを外してしまえば、誰からも呼び止められない透明人間になれるのだろうか?僕の次のアイコンは何になるのだろうか?新しい眼鏡を選びながら、そんなことを考えた。