伊坂幸太郎も激賞! 「桃太郎」のユニークな後日譚、大森兄弟『めでたし、めでたし』
鬼ヶ島から戻った桃次郎が抱える秘密とは――。兄弟ユニット作家、大森兄弟さんの新作『めでたし、めでたし』は誰もが知るおとぎ話「桃太郎」のユニークな後日譚。本作をいち早く読んだ伊坂幸太郎さんも「超絶技巧」と激賞したのだそう。
鬼ヶ島から帰っても物語は続く。あのおとぎ話の奇天烈な後日譚。
きっかけは編集者からの提案。兄弟の作風の魅力を活かすため、「桃太郎」のようにすでに世界観が確立したものの続編を書くのはどうか、という打診だったという。
「僕も弟も“面白い~!”となって。
そこからルノアールに集まっては、どんな話にしようかと話し合っていきました」(兄)
鬼ヶ島で鬼を退治し、犬、猿、雉と共に奪われた宝物を持ち帰った快男児・桃次郎。元の持ち主に名乗りでるよう呼びかけ屋敷には行列ができるが、桃次郎はなぜか宝を返そうとしない。不満が募る人々の混乱をおさめようと忠義心の強い犬は必死、お人好しの猿は苦悩し、なぜか雉は毎日どこかへ出掛けていく。
一方、桃次郎は持ち帰った鬼の首に執着している様子。そんな彼には景色が文字で見えるという不思議な能力があるが、「実はダジャレから発想したんです」とお兄さん(読めば何のダジャレか分かります)。