マンガ家・瀧波ユカリ「とてもエンパワーされた」 影響を受けた“女バディ”コミック
女性クリエイターに聞く「いま惹かれる、そして作りたい“女バディもの”とは?」マンガ家の瀧波ユカリさんに聞きました。
瀧波ユカリさんが“バディ”という言葉を意識したのは、10年少し前。三浦しをんさんの小説を原作とした映画『まほろ駅前多田便利軒』など、男性バディの映像作品の密かなブームを見て、だったそう。
「言われてみれば、確かにこういうジャンル、あるな、と。同時にこんなにバディものを求めている人たちがいたのか、ということに新鮮な驚きを感じました」
バディと聞いてイメージするのはやはり“戦い”。お互いに寄りかからない自立した二人が、なにか事件や問題に対して二人で挑み、解決する。その物語構造とバディは切り離せない、とも。
「その“自立した”というところは結構大事で、私たちがバディになぜ惹かれるか、という理由の一つに、おそらく“こざっぱりとした関係性”というのがあると思うんです。
いつもは付かず離れずの関係で、干渉し合わない。でもピンチのときには助け合う。そんな自立した二人だからこそ、私が思うバディは成立する。でも現実として大人の女性は、ジェンダー的に“ケアをすべし”と刷り込まれているので、女同士二人の、お互いをケアしないこざっぱりとした関係性の物語を、リアリティを持って見られるか…。