特別ではないけれどかっこいい…! 映画監督・大九明子おすすめの“女バディ”作品
特に、日本の作品に出てくる中年女性は、さんの妻であったり、さんの母親といった、“役割としての存在”として描かれることがほとんどで、そうでない場合は医者や弁護士、刑事といった職業のスーパーウーマンのいずれかのパターンが本当に多い。だからこそ、特別な存在ではないただの主婦、しかもそれがバディで主人公、というところが、とても新鮮だったんだと思います」
自身が女バディものの映画を撮るとしたら…。特別ではないけれどかっこいい女性2人が活躍する、痛快な作品を作りたい。
「バディという言葉が持つ、痛快さ、かっこよさを、女性に任せてほしいんです。まずはそういったかっこいい女性像というのを、映画の中で描かせてほしい。’66年のチェコの映画で『ひなぎく』という作品があり、奔放な姉妹が世の中を振り回す…といったある種のバディムービーなんですね。私も昔はおしゃれなアート映画だと思って観ていたんですが、少し前に観返したときに、なんだかちょっと不愉快に感じたんです。それは女の子を必要以上に露悪的でセクシュアルに描いていたから。
私がそういったことに気づいたように、“既存の女性の描かれ方”に違和感を覚える女性が少しずつ増えているような気がします」