橋本愛、『ローエングリン』で「自分の体を楽器のように使って、いろんな音を出す稽古をしています」
「体の表現に以前から興味を持っていました。演じていても、心は役と繋がっているのに体がついてきていないと感じることがあって。自分の体をもっと操れたらと思っていました。ダンス経験は皆無でしたが、自分の体でどこまで踊れるのかを突き詰めたコンテンポラリーダンスの表現を知ったとき、自分にも踊れるかもしれないと思って始めたんです」
橋本さんが目指すのは、エルザを演じることではなく、エルザとして、オーケストラの奏でる音や男声合唱、観客のざわめきなどの劇場空間すべてと体と声が溶け合うこと。
「今回の作品ではあまり写実的な表現をしたくないなと思っています。花も鳥もいろんなふうに見えていいし、エルザも、エルザだけれどエルザじゃないかもしれない。観た方それぞれの解釈を引き出すような表現が私は好きだし、観客としてもそのほうが面白いと思っているので」
俳優として、自分の関わった作品が社会にどんな影響を与えるのかをきちんと考えていきたい、とも。
「大人になって知識も以前よりは蓄えられてきたからこそ、自分の大事にしている信念に則した作品に携わっていきたいと思っています」
神奈川県民ホール開館50周年記念 オペラシリーズVol.2 サルヴァトーレ・シャリーノ作曲『ローエングリン』10月5日(土)