高山一実「この感動を伝えたい!」 絵本のアイデアが生まれた意外なきっかけ
シリーズ。
「こげぱんは、私たち世代の大人気のキャラクター。物語の中で今でも覚えているのが、いちごパンの自己紹介。悪気なく『ふかふかです』と言うんですけど、それに対してこげぱんが『バリバリです』と返していて。子どもの頃はそのやり取りを、かわいらしいと思いましたが、いま考えるとシニカルですよね。こげぱんって焦げているパンだから“バリバリ”で、いちごパンの“ふかふか”とはちょっと違う。でも、だからといってこげぱんが仲間外れにされることもなく、みんな同じという世界線で物語が進んでいくのも、改めてとてもいいなと思いました」
さまざまな絵本に触れてきた中での、『がっぴちゃん』の執筆。初めて絵本の制作を経験して、どんな感想を得たのだろう。
「絵本はやはり、ページをめくるたびに絵でワクワクできるところが魅力。そこにどんな文を載せるのかを考えるのが、とても楽しかったです。ちょうど『がっぴちゃん』を書く前に、『トラペジウム』(高山さんの小説)のアニメ映画のエンディング曲に歌詞をつけるという作業をしていて、私は絵に合わせて短い言葉を載せるのが好きなんだと思っていた頃でもありました。絵本を書く時は、ひらがなを多く使うのも特徴です。