高山一実「この感動を伝えたい!」 絵本のアイデアが生まれた意外なきっかけ
「がっぴちゃんと、ちきゅうさんの出会いは、がっぴちゃんのお母さんの『ちきゅうさんというとってもおおきなともだちがあなたをまっているわ』という言葉がきっかけです。でも、この台詞は、子どもには少しわかりにくいと思うんです。そもそも地球は生き物ではありません。お母さんは『外の世界へ行って、いろんなものを見てきなさい』という意味でこの言葉を言っています。でも、ここではあえてそういったストレートな表現は使わず、抽象的にしました。大人になって読み返した時に、そういうことだったんだ…と思ってほしくて」
ほかにも、深く読むと気づきに繋がる箇所がある。
「がっぴちゃんは、恥ずかしがり屋のちきゅうさんを外に出してあげようとします。でも、それはハマグリの形をしたちきゅうさんにとっては、死を意味するんです。
ハッピーな話をベースにしながら、見方を変えると違った解釈ができる。私自身、大人になって絵本を読み返した時に、新たな気づきがあると嬉しくなるので、物語を想像しながら楽しめるように、意識して書いたところはあります」
子どもの頃は、絵本好きのお母さまと一緒に、いろんな作品を読んでいたという高山さん。なかでも最近、読み返して印象的だったのが、「こげぱん」