森田剛「自分って生きてていいんだって、希望を感じる」 間宮祥太朗と舞台『台風23号』を語る
森田:世の中的に言ったらクズ人間なんですけど、でも誰の中にも似たような部分ってあるような気がするんです。その人間くささが、赤堀(雅秋)さんが描く登場人物たちのチャーミングなところで。
間宮:赤堀さんの作品は、登場人物たちの恥部というかダメな日常が結構生々しく描かれていて、それをまるで物陰から覗いているような印象を受けます。
森田:出てくる人ってクズばかりなんだけど、なんか見てると妙な安心感があるんですよね。自分って生きてていいんだって、希望を感じるというか。
間宮:わかります。それぞれにいろんな問題を抱えた人たちが出てきて、描かれることも必ずしもポジティブではないじゃないですか。なのに、見ているとなんだかポジティブな想いになるから…不思議ですよね。
森田:どの人もみんな、いい人に見えて肚の中では違うことを考えていたり、外から見えている部分がすべてじゃなかったりするんですけど、それが逆にリアルな気もするんです。自分としては、役の性根みたいなものを持ちながらも、へんに余計なことをせずにシンプルにそこにいられたらと思ってはいて。
間宮:次に何をしようとか、どうセリフを言おうとか、どんな表情しようとか、そういう雑念が一切入らずに、自然とセリフが出てくるっていうのは理想ですよね。