森田剛「自分って生きてていいんだって、希望を感じる」 間宮祥太朗と舞台『台風23号』を語る
たまに、芝居なんだけど目の前で起きている状況の中にポンッと入って言葉をやり取りしているような瞬間があって。今回、そこを目指せたらなとは思っています。
――生活の匂いが立ち上るような生々しい会話が赤堀作品の魅力。しかし、舞台は稽古に本番と同じ場面を何度も繰り返し演じるもの。毎公演鮮度あるセリフを発するために意識することはあるのだろうか。それでも舞台に挑む理由とは何なのだろうか。
森田:人ってどうしても慣れてしまうし、なあなあになってしまうことってあるじゃないですか。舞台って緊張とか恐怖とか、それが許されない場所だから勉強になるんですね。
普段生活してるときってわりと適当だし、あんまり考えてないので、舞台のときぐらいは緊張したいというのかな。自分に刺激を与えたいというか。
間宮:舞台って、毎日反復というか同じ流れをやるからこその発見っていうのもあるんですよね。あと、同じことをやってるはずなのに、絶対にまったく同じにはならない面白さもありますし。でも何より、舞台を観てくださるお客さんは、けっして安くはないチケットを買っていて、その対価というか…何かを得たいっていう覚悟のようなものを持って劇場に足を運ばれているので、その圧を舞台上にいても感じるんですよね。