“日記本ブーム”到来、背景にはコロナ禍やSNSの普及? おすすめ日記本8選
日記を読むおもしろさについて、ふたりはこう話す。
「特に思うのは、日付があることで生まれる魅力だと思います。日付によって、まったく面識のない人だとしても、その人と自分の生活が自然とつながる。そのうえで、空白の日があれば読んできた日記から相手の生活を想像し、自分で勝手に補ってしまうのが、創造的でおもしろいなと思います」(栗本さん)
「日記には、その人の思考のメモが記録されていると感じます。その記憶を通して自分の記憶にも触れられる。たとえば海水浴に行ったという描写に自然と自分の思い出を並走させてしまう、その瞬間が大好きです。一方で、いくら日記を読んでも結局その人のことはわからない。“他者である”というあたり前を受け止めるのは決してネガティブなことではなく、大きな話になりますが、一人ひとりが生きている、みたいなことを実感できる気がします」(久木さん)
久木さんセレクト
1、『読書の日記 皮算用/ストレッチ/屋上』阿久津 隆/NUMABOOKS
読書とともにある生活を綴った大ボリュームのシリーズ本。
本の読める店『fuzkue』店主が、読んでいる本と自身の暮らしを綴った、600ページ超の日記シリーズ第6弾。