環ROY「大人の鑑賞に堪えうる絵本を作りたいと思っている」 最新絵本でこだわった点とは
絵本のほうがずっと難しい。絵本では、広く理解されるような言葉を選ばないといけないし、文法的にもある程度の正しさが要求される。でも、自分の作品は、まったくそんなものはない。自分がよければ文法とかも別に正しくなくていいし、聞き取れない可能性とかも気にしない。かかる時間も書く内容も、まったく別物です」
その絵本の難しさが、自身の活動にいい影響を与えているという。
「自分のアートとしての作品は、すごく私的なものなんですけど、絵本みたいに公的なものを同じ人間がやることで、自分の作品がより私的な方向に振り切れる。プライベートとパブリックの両者をやることでバランスがとれて、自分の活動には、すごくいいフィードバックがきていると思います」
「まだまだつづくよよなかはたのしい」というページをめくると、「たのしいあそぼうこうえんたのしい」という似た文と絵のリフレイン。
「それまでのガチガチにタイトなラインから、ここで緩まる感じがします」
『よなかのこうえん』
舞台は静まり返った夜中の公園。物陰から「まばたきひとつこっちでふたつあっちでみっつ」と何やら生き物が次々現れて…。楽しそうに遊ぶ姿と、軽快なラップ調の文がマッチ。