“女楽師”をご存知?好きなことでボランティアしよう!~ANGIE的復興支援・・・私にもできること~【ボランティアってなんだろう? vol.2】
「ANGIE的復興支援」の第2回目は、新緑の中、神々しい雰囲気で“龍笛(りゅうてき・おうてき)”を奏でる山下進さんをご紹介します。
“龍笛”とは、平安時代から伝わる日本の宮廷音楽「雅楽」で使われる管楽器です。
雅楽には3つの管楽器があり、東儀秀樹氏が専門に演奏しているのは篳篥(ひちりき)です。
“演奏家山下進”の誕生 ~ 龍笛との出逢い ~
20代の頃はハードロックのバンドを組んでいたという、やんちゃな一面もある山下さん。
勤めていた会社で新規事業部に抜擢され、張り切っていました。多くの仕事を抱え、時間に追われる日々が続き、あまりの忙しさに、ストレス発散のバンド活動もできなくなっていきました。
次第に、体の疲れは心にまで影響し、自律神経失調症やパニック障害になってしまったのです。
そんなとき、東儀氏のCDを聴き、笛の音に助けられました。
宮城県雄勝町(現 石巻市)出身の山下さんは、室町時代から伝わる「胴ばやし獅子舞」で、子どもの頃から太鼓や篠笛(しのぶえ)を演奏してきました。
篠笛と龍笛は同じ横笛。自分にも吹けるかもしれないと、始めてみたのです。
龍笛が体調不良を治してくれた!?
雅楽の譜面は縦書きで、カタカナです。演奏は長くて10分。
精神統一し、ゆっくりと、細く長い呼吸法で練習していたら、体調不良が治ったというのです!
無気力になりがちなときに、「あえて、新しいことを始めたのがよかった」と話す山下さん。
雅楽というと、ちょっと敷居が高いイメージがあり、山下さんがボランティアに行っても、聴き手が緊張してしまうそうです。そのため、まずは、みんなが知っている童謡や美空ひばりさんの曲を演奏します。
馴染みのある曲に、自然と口ずさみ、緊張が解れたところで雅楽の譜面曲を演奏します。感動のあまり、涙を流す方もいらっしゃるそうです。
自分の体調だけではなく、聴く人にも癒しと浄化作用をもたらしています!
異色のコラボが実現!「世界平和記念聖堂の補修保存のための チャリティコンサート(広島市)」では、教会で演奏しました。日本の神道とキリスト教のコラボです。
笛の音だけではなく、山下さんの優しく艶のある生声も聴ける動画はこちら。東北楽天ゴールデンイーグルスのホームゲームで、国歌斉唱の伴奏もしました。
女性演奏家が増えています!山下さんが教える龍笛と篠笛教室には、20~30代の女性の受講生が多いそうです。
笛の音色に惹かれ、心身の健康のためにも習う人が増えています。
未来の“女楽師”が誕生するかもしれません!
これからの夢について、多くの弟子と共に、外国の方へも日本の音楽を広く伝えていきたい、親子教室や学校で子ども達に教えたい、と語ってくれました。
雅楽に親しんでいただくため、月1回、喫茶店での演奏もしています。近日の予定をお知らせいたします。
■日時:5月11日(日)14:00~15:00/6月7日(土)14:00~15:00
■場所:純喫茶星港夜(シンガポールナイト)
宮城県仙台市青葉区上杉1-12-1TEL022-222-2926
何かボランティアしなきゃと思うかもしれませんが、自分の好きなことが、人の役に立つこともあるのです。
好きなことでなら、ボランティアも長く続けることができるかもしれません。
写真提供:山下 進氏
※教室や講演に関するお問い合わせ公式ブログ・ Facebook
※参考日本雅楽會/食べログ