くらし情報『ベルギー美術の"奇想"の歴史を辿る!「ベルギー 奇想の系譜」展が渋谷で開催』

ベルギー美術の"奇想"の歴史を辿る!「ベルギー 奇想の系譜」展が渋谷で開催

一方、クノップフの暗示に満ちた静寂な世界は、溶けない謎へと鑑賞者を引き込んでいきます。

そして、画家が抱えていた孤独や怯えが不穏なうねりとなって、ついに叫びだす自我を描いたのがアンソールでした。アンソールが描いた骸骨と仮面は、隠されるもの、隠すもの、暴かれるものの性質を内包しています。この関心は、次世代のマグリットから現代に続く、「言葉とイメージ」の問題へと展開していきます。●フェリシアン・ロップス《舞踏会の死神》

死神として骸骨となった女が、カトリックの司祭がミサで着るガウンを身にまとい、恍惚のダンスを舞っています。教会を風刺する本作は大型の画面に描かれており、作者の深い思い入れが感じられます。作者は、反カトリック的、反ブルジョワ的強迫観念を持ったフェリシアン・ロップス。版画、挿絵を中心に、油彩画、水彩画、著述など様々な分野で才能を発揮しました。


●フェリシアン・ロップス「娼婦政治家」 

ベルギー美術の"奇想"の歴史を辿る!「ベルギー 奇想の系譜」展が渋谷で開催

フェリシアン・ロップス[原画]、アルベール・ベルトラン[彫版] 《娼婦政治家》
1896年 多色刷銅版画・紙 フェリシアン・ロップス美術館

娼婦の女性と豚の足元には、彫刻、音楽、詩、絵画と書かれた擬人像があり、女性と豚はこれらの芸術を理解せずに踏みにじっています。

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