屏風に描かれた世界観を体感!東京国立博物館で「びょうぶとあそぶ」が開催
画面に大きく描かれた松の樹は、墨一色の線と濃淡の加減だけで描かれており、松林が霞の間から見え隠れする様子や、木々の間を渡る爽やかな風まで実感できるのが大きな魅力です。
この絵はある時、屏風に仕立てられたものですが、この松林の周囲にも、さらに風景が広がっていたと伝えられています。海や山々、里山の景色が遠くに描かれていたかも知れません。日本では松林を描いた風景画は、三保の松原や天橋立などが知られますが、この絵はいったい何処の松林を描いたものでしょうか。記憶の中にあらわれる光景と重ねてみることで、潮騒が聞こえ、海辺の湿った空気や松の香り、鳥たちが木々の間を飛び交う姿さえ、見えてくることでしょう。
「群鶴図屏風」の世界でたわむれる!「つるとあそぶ」
展示会場のイメージ(特別4室)
特別4室には、「群鶴図」に鶴が降り立つ不思議な世界が登場します。展示室に入ると、大きなスクリーンで鶴が羽ばたき、地面に降り立ちます。そして、最後は江戸時代に活躍した琳派の雄、尾形光琳(おがた・こうりん)が作り出した金屏風の中へ誘います。
鑑賞者の動きに合わせて鶴が動くインタラクティブな演出や、金屏風の美しさを引き出す光の演出など、子どもから大人まで、「群鶴図」