ゴッホのジャポニスムに迫る「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」札幌、東京、京都の3都市で開催
フィンセント・ファン・ゴッホ《カフェ・ル・タンブランのアゴスティーナ・セガトーリ》1887年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)
この頃から、ファン・ゴッホは日本と日本人を理想化しはじめていたようです。そして、浮世絵の中の鮮やかな色彩世界を求めて「フランスにおける日本」たる南仏へ旅立つのでした。
●アルルー「日本」という名のユートピア
フィンセント・ファン・ゴッホ《寝室》1888年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)
1888年2月、ファン・ゴッホの南仏暮らしは大雪の中で始まりました。ファン・ゴッホがしたためた手紙には、「まるでもう日本の画家たちが描いた冬景色のようだった」、「この土地が、空気の透明さと明るい色彩効果のために、ぼくには日本のように美しく見える」と記されています。