「おにぎり君」と呼ばれた男、8年半の自転車地球一周の旅を語る
今までなりたいもの、したいことはたくさんあったが、全て自分で捨ててきた。
生まれて初めて“この夢だけは逃げずに成し遂げたい!”と思った。
お金を目標金額まで地道に貯めることは、僕のこれからの夢が本気であるかを試すものでもあった。
そして僕はそのテストに合格した。
1日2食生活、朝昼おにぎりだけを食べる僕は、会社では“おにぎり君”と呼ばれた。
自分でする苦労には価値がある。
人からもらったお金では、夢は簡単に手にすることができてしまう。
自分で苦労したならば、簡単には捨てられない。
お金は苦労を学ぶために必要だ。」
レールに乗った人生は嫌だ、そんな反骨精神を原動力とし地道な努力を続け、4年間で1000万円という資金を貯めた。
自転車で地球一周するという夢は、一気に現実的なものとなった。
そして社会のレールから大きくドロップアウトし、地球一周という果てしなく思われる旅に向けて、力強くペダルを漕ぎ出したのである。
楽しいだけではない、過酷な旅の連続
【ブラジルの北部のマカパ付近にて】
当然であるが、8年半にわたる地球一周自転車の旅は楽しいことばかりではなかった。