ハゲた殿方に「ハゲ!」と伝えて差し上げるのも愛なのです。|【連載3】ドSクリエイター菅原の「To the loveless.(愛を失くした人たちへ)」
他人を傷つけまいとこの言葉を発する人は、往々にしてこの言葉で相手をチクチクと傷つけます。善人ヅラした悪意。それが「そんなことないですよ」の本質だとわたくしは思っています。
例えば、職場の隣の席に頭髪薄めの殿方が座ってらっしゃるとします。“薄いかどうか微妙”とか“雨に濡れた時だけ薄く見える”レベルではなく、誰がどの方向から見ても薄いレベル。その方からある日突然、「最近薄くなってきちゃって」と話しかけられたら、あなたはどうしますか?「そんなことないですよ」と否定してあげれば、その方は「そっか。俺そんなに薄くないのか!」とハッピーになると思われますか?「そんなことないですよ」などという薄っぺらいフォローのお陰で頭髪が増えたりするのでしょうか?
「そんなに薄くないですよ」と言われて「そうかな?」と思うハゲはこの世にいません。
(Photo by WedlockPictures)
わたくしが知る限り、殿方が自ら自身のコンプレックスについて語り出すときは、それを否定して欲しいときではなく、肯定して欲しい時です(女性に関しては否定して欲しいコンプレックスについて自ら語りだすめんどくさい方も多くいらっしゃいますが)。