真の豊かさとは何か。
(Photo by バンベニ桃)
では、アフリカは本当に貧しい大陸なのであろうか。そもそも私たちが「豊か」だとか「貧しい」だとか言う基準はどこにあるのだろうか。豊かさを測るのに使われるGDP(国内総生産)。ではこの数値が高ければ豊かな国なのだろうか。そうであれば、それは「豊かさとは経済次第である」と公言しているわけである。先進国は豊かで、第三世界は貧しいという、なんとも単純で不可思議な方程式がまかり通っているのだ。当然であるが、この地球にはたくさんの民族が多様な文化を持ち暮らしている。
その暮らしに優劣は付けられない。アフリカ中部に位置するカメルーンという国。筆者は2007年、この国の奥地の村を旅したことがある。電気も水道もない、売店もない村々。そこに住むアフリカ人はその土地で採れる土と木で家を作り、狩りをし、野菜を育てたり、山菜を収穫したりして生活していた。学校にいかない子供もいた。アフリカの教育は植民地時代の欧米式であるために、民族衣装では学校へ通えない。子供たちは民族衣装を脱ぎ、民族的に意味のある装飾を外し学校へ行く。
当然であるが彼らがその後、民族衣装に戻ることはないし、装飾品を日常的につけることもなくなる。