その村を暮らし見て、多くの人は援助が必要だと言うであろう。学校が必要だ。水道が必要だ。電気が必要だ。病院が必要だ。トイレが必要だ。そしてその後、ボランティアがその地を訪れ、それまでの長い歴史の中で作られてきた、先住民の生活を変えてゆくのだ。
世界一豊かな大陸、アフリカ。
(Photo by バンベニ桃)
さてこのカメルーンの村人たちの暮らし。実は彼らは驚くほどにとても豊かな暮らしを営んでいる。その土地には豊富な食べ物があり、季節ごとに彼らのお腹を満たす。子供は小さいころから、狩りの仕方や、薬草の見分け方、哲学などの知恵、自分より小さい子供の世話などを学ぶ。家を建てるのも、その土地から採れる資源で、同じ村に住む村人の助けを借りながら建てる。当然ローンなどはない。他の人が家を建てる時に、自分も助けに行くだけだ。彼らは大自然の中で上手に自然と循環しながらも、慎ましくも、満たされた生活を送っているのだ。
その暮らしを誰が貧しいと言えるのだろう。彼らの社会には、このグローバル化がもたらした環境問題や、経済問題や、雇用問題や、少子化問題などを始めとする社会問題はないのだ。その暮らしは私たちの暮らしとは全く違う。