コスト0円、16ヶ月の旅。アフリカ〜イギリス間をチャリで縦断した夫婦が手に入れた“形のない財産”
大自然は、時に過酷で、大いなる癒しでもあった。
「この旅を通じて失ったものは、物欲と身近な便利さや快適さを求める心」
自転車旅の魅力は、ガソリンなどの資源エネルギーを消費せずに済むこと。飛行機代を払えば直ぐに目的地へ辿り着けるが、自転車移動のおかげで、よりディープにローカルの日常や文化に触れることができる。“自分の目で見て感じたことが全てだと思うようになった”巨大なアフリカゾウの接近で生命の危険を感じるなど、道中は、お金をいくら払っても得られないカルチャーショックの連続。その中で、アフリカが抱える複雑な構図も、随所で突きつけられた。ネットで世界を垣間見ることは容易く、情報が氾濫する時代だからこそ、「自分の目で見て感じたことが全てなんだ」と、より強い確信を得るようになったそうだ。
“この旅を通じて得たものは、世界の人々は良い人だと知ることができたこと。初対面の人の家でも、庭にテントを張らせてもらったり、道端でも、草の茂みでも、アットホームに感じられるようになった。どこにでも暮らそうと思えば暮らせる感覚です。 世間で危険と言われる地域でも、人をより信頼して、頼れるようになりました”ハードな側面もあったが、世界は思った以上にオープンでもあった。