くらし情報『「私は“即興の魔力”に取り憑かれた」。社会的弱者が分断された日本を音楽で変える「即興楽団UDje( )」を率いるナカガワ エリ【前編】』

「私は“即興の魔力”に取り憑かれた」。社会的弱者が分断された日本を音楽で変える「即興楽団UDje( )」を率いるナカガワ エリ【前編】

障害者だけに捕らわれないで活動するエリさんは、障害者施設での音のワークショップに釜ヶ崎の労働者を連れて行くなど、固定概念に捕らわれずに、いろんなことを試みている。大阪に入って、釜ヶ崎の日雇い労働者とか、道端で寝てる人とか、生活保護で生きてる人など、いわゆる社会的弱者の人達を知る機会がありました。彼らの多くは自分たちの暮らしに精一杯で、外に出て行ったり出会いとかも少なくて、それで彼らを障害施設の音のワークショップに連れて行きました。お互いの置かれている立場や肩書で判断することがないからでしょうね、打ち解けるのが早かった。そういった意味では面白い出会い。これは今でも続けています。

一人の女性を救うことから出発した“うじゃ”

鬱になったり、引きこもりになったり、不安障害を繰り返したりしていたけど、うじゃを少しずつ時間をかけて作っていきました。結果的に私は自分を助けるためにうじゃを作ったと言えるかもしれません。
人なんていなくてもいいやって思った時期もありました。一人で完結できるって世界観があって、人に対する不信感もすごく強くて。でも、うじゃが即興の音楽をするのには、人が繋がってくる。楽譜なしの即興でやると、人の目をみたり、場の空気を読んだり、間を作ったりしないといけません。

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