「多様性」と「差別」が混在する矛盾だらけのアメリカで生まれた「有色人種」というプライド。アメリカで“日本人“として生きることとは。VOL.1
移民大国として「自由の象徴」と見られがちな一方、白人警官の黒人射殺が頻発したり、世界一の囚人数を抱えていてそれが増える一方だったり、不法移民の自宅拘束や取り締まりがますます厳戒になったり、理想と現実の差がものすごく激しい国であるのも事実です。 でも私はアメリカが好きなわけではなく、自分が一員だったニューヨークのクィア(LGBTQ、性的マイノリティ)のコミュニティが好き、と言った方が正確かもしれません。私の周りのクィアの友達の中には、 特に黒人やラテン系の子達には、非常に貧しい環境に育ち、親にも見放され、幼い頃から自らを養ってきた人がいました。アメリカの社会の根底に人種差別がどれほど深く存在しているか、またそのような苦闘を乗り越えなければならないのに、親や通常の社会の支援システムに頼れないなか、どれほどクィアの友達のコミュニティが支えになるかということも、そんな彼・ 彼女らの日々闘う生き様を見て痛感しました。 ーアメリカの嫌いなところはどこですか?自己表現、つまり自分の強い芯を見つけ、それを社会に表現することが肯定される一方、いわゆるマイノリティの人々がそれを実行しようとすると社会構造によって踏みにじられ、差別され、どん底にまた突き落とされる、というループが存在するのも、アメリカという国の矛盾の大部分を占めていると思います。