「多様性」と「差別」が混在する矛盾だらけのアメリカで生まれた「有色人種」というプライド。アメリカで“日本人“として生きることとは。VOL.1
アメリカの、特にニューヨークや他の都市部に行くと、日本人という枠組みがどれだけ狭苦しくて制限のあるものかが実感できるようになったからです。そして、チャイナタウンで必死に生き抜いている中国人に親近感を感じたり、アジア系アメリカ人の友達とアイデンティティーについての会話を重ねるうちに、日本人ではなくアジア人、もしくはアジア系アメリカ人 (Asian-American) としての連帯感が深まるのです。また、有色人種(People of Color)の一員として他のアジア人やラテン系、そしてアフリカ系などの人々と共に人種差別を体験し、日本人という概念が薄まり、他の国の人々との横のつながりへの意識が高まりました。それは同じアジア人への差別も絶えない今の日本に住んでいるだけでは、なかなか身につかない考え方だと思っています。
ーアメリカで“日本人”でいるのが嫌なときは?ニューヨークにいると、やはり移民だらけの多種多様な大都市なので、日本人という意識は薄れていく気がしますが、少しでも田舎へドライブしたり、都市を出て、アジア系が少なく白人が多い地域にいくとガラッと雰囲気は変わります。