10店目:「伝統だからではなく、幸せになるから」。“超絶おいしい鯨肉”が食べられる根津の秘密基地、ひみつくじら| フーディーなBi編集部オススメ『TOKYO GOOD FOOD』
西野 嘉憲 撮影/著.「鯨と生きる(平凡社)」より抜粋東京ではいまいち現実感のない印象を持たれがちな捕鯨ですが、房総の捕鯨基地である和田浦では地域に根付き、「おいしい、おいしいと」愛され、生活の一部となっています。夜も明けぬ早朝、屈強が男たちが船出をする。経験と勘を頼りにした鯨との駆け引きの果てに、一発勝負の銛を撃つ。「捕れた」の一報を、町のみんなが心待ちにしている。夕方捕獲の方が入ると、次の日の早朝、大きな鯨(10~13m)が浜の解体場に引き揚げられる。たくさんの見学客が息をのんで見守る中、汗を滴らせキラキラと輝かせながら真剣勝負、みんなで息を合わせ、力を合わせて、生き生きと鯨を捌く。解体が終わればその場で新鮮な肉の即売会。列をなして鯨の肉をみんなが買いに来る。
「今日の肉はどうだい?」「やわらかくていい感じだよ、何キロ持ってく?」なんてやり取り。
西野 嘉憲 撮影/著.「鯨と生きる(平凡社)」より抜粋その営みの表情の豊かさ、自然と一体になった風景が本当に美しいのです。それこそ、この街だけが世界から切り取られてしまったように。そこには、捕鯨がいい悪い云々なんて余計な雑音は何もない。※漁期中(夏季)