「“晒すこと”がものづくりには必要」。 ある男が訴える、“消費者に建前を言わない”という付加価値の存在
を主宰している。職人の中には、自分たちの背景や文化、思想やプロダクトの価値をプレゼンテーションすることが苦手な人もいる。そういった人たちのブランディングを担うのが石井氏だ。そうすることによって、職人にある「怖い・厳しい・近寄りがたい」というイメージを払拭し、職人はそれだけじゃないということをプロセスから出していく。
弟子入りして朝晩コミュニケーションをとっていくと、職人さんにはどういう作業着がいいかわかってくるんですよ。さらに仲良くなると、彼らの悩みも聞くようになる。以前関わった福島では、お母さんたちと職人さんとの間で、お互いに言いづらいことがあって、そこで僕らがクッションになった。一見、外からは覗けない職人の本当の姿をSNSなどで晒していきました。
また、コミュニケーションから派生してできたアイテムと作業着を持って、東京で開催されるファッションとデザインの大規模な合同展示会「rooms」などで出店し、職人と新しいセクターの人を繋ぎ合わせていく。そこにはイギリスで学んだ「Narratology(ナラトロジー)」の哲学が入っている。
石井氏は過去に渡英し、ロンドンにある芸術大学セントラル・セント・マーチンズで、Narratology(物事にある物語論)