「“晒すこと”がものづくりには必要」。 ある男が訴える、“消費者に建前を言わない”という付加価値の存在
特に地方ですね。そこにいる地元の人ではなく、外から来た人間だからこそ見つけられるものもある。地域の問題を定義するところから可視化していく時に、代弁者であるクリエイターの存在が必要になる。僕がやっていることは、作り手と使い手が一緒になって商品を転がしていった先に、それがサービスという経済ベースだけではなく、生産者と消費者の関係の構築を考えて設計する、ということ。お客さんがそれに触れるまでの気分を想像し、それをデザインに落とし込む。さらにその人が五感で何を感じ、どういう気持ちになるか、そして次回に繫がるかどうかも考慮しています。
企業が政治的な主張を発信することが未だに“タブー”とされている日本で、SDGsをテーマにしたイベントのスポンサーを集めることは一つのハードルかもしれない。また、発展途上国と先進国の社会問題の解決への緊急性の違いも感じたと石井氏は話す。
発展途上国の人は、先進国の僕らが出す課題の着目点や解決策と全然違うアプローチでした。アフリカの人は、明日には解決しないと命に関わる課題が多いこともあって、そもそもの熱量も違う。日本の難しい点は「問題や課題をどれくらいの人が当事者として感じていて、それをどうやって伝えられているだろうか?」