「子どもにはものではなく体験を与える」。ある母親が提唱し、世界的ムーブメントとなった“ゴミゼロ生活”
「理想的だけど、日本だと難しいかな。そこに労力をかける時間もないし」世界10各国以上で翻訳されたベストセラー、『ゼロ・ウェイスト・ホームーゴミを出さないシンプルな暮らし』のタイトルを見た時の筆者の正直な気持ちだ。 アメリカのカリフォルニア州で家族4人と暮らしている本書の著者ベア・ジョンソンさんは、1年間で片手で持てる中瓶ひとつ分のゴミしか出さない(!)という。商品のほとんどがプラスチックに包まれている日本で生活をしていると、とても不可能に思える。

「ゼロ・ウェイスト・ホームーゴミを出さないシンプルな暮らし」の著者、ベア・ションソンさん
しかし、ベアさんのゴミを出さない生活スタイルは、世界各地で積極的に取り入れられつつある。個人にとどまらず、市や自治体ベースでだ。多くの人を惹きつける「ゼロ・ウェイスト」生活とはどのようなものなのだろうか?
5つのRで、シンプルな生活を

ミニマムかつ、シンプルに整えられた、ベアさん一家の一室
ゼロウェイスト生活のベースとなるのは、5つのR(アール)。以前は大邸宅に住み、いくつもの家具を所有していたというベアさん一家だが、この5Rのルールに従い、劇的にゴミの量を減らしていったという。