世界を飛び回るコペンハーゲン育ちの日本人クリエイターが明かす、デンマークデザインの神髄
理由は、アメリカの武器を運ぶのがマースク。戦後、建物を直す物資を運ぶのもマースク。だから僕らの周りは全員マースクが嫌い(笑)。
Photo by Robert Lawrence
翻って、今のデンマークのデザイン。これがここまで売れ始めたきっかけは、日本とアメリカでの北欧ブームが大きいと思います。それを機にどんどん商業化して、今やほとんどの有名なデザイン会社はアラブか中国の投資家が持っている状況。デンマークのデザインは、一番強いところ(=お金持ちのアラブや中国)と組んだことによって、自らの手を離れて形骸化してしまった。だから、「人のためのデザイン」が生まれたのもデンマークの文化だし、そうでなくなってしまってるのもデンマーク人の昔からの考え方だと思うんです。
デンマークが面白いのは、こんなにも善悪がはっきりしてるところなんですよ。
Photo by Isa Jacob
Photo by Isa Jacob
すべては「信頼」から
Photo by Robert Lawrence in Andes
ーこんなインタビューは初めてで、刺激的です(笑)。聡さんはデンマークのことを客観的に観察しながらも、デンマークの素晴らしいところを受け継いで活動しているところが面白いですね。