「僕は日本と韓国の架け橋になりたいんです」。“スマホを捨てた若者”が、太鼓に夢を懸ける理由 VOL.1
の3人。
前濱 純 Sunao Maehama 19歳
ー小さな頃からずっと続けてきた太鼓に懸けて、鼓童の研修所に来たと聞きました。大学への進学と迷ったようですが、結果的に鼓童を選んだのはなぜですか?
最初は進学を考えていたんです。だって“花のキャンパスライフ”なんて言うじゃないですか(笑)。でも、あるイベントで鼓童の演奏を初めて生で聴いた時に衝撃を受けて。
ー衝撃?
「すごい、私にはあんな演奏できない!」って。
ーなるほど。
悔しかったんです。
差を感じて。それで進学か鼓童かで悩んでいた時に、お母さんから「大学卒業後でも鼓童には入れるけど、あなたが一番好きな太鼓の世界で生きていきたいなら、体力的に余裕のある今の方が良いんじゃない?」って言われて……。
ー鼓童を選んだんですね。
はい。それに、もっと太鼓を世界に広めたいんです。
ーそれはなぜですか?
一度メキシコに行って、あるイベントで太鼓を叩いたことがあるんです。そしたら現地の人に、「“Japanese Drum”なら分かるけど、“WADAIKO”じゃ分からない!」って言われたんですよ。鼓童は毎年世界を回って、いろんなところで太鼓を叩いているんですけど、まだまだ知られていないんだなって。