「僕は日本と韓国の架け橋になりたいんです」。“スマホを捨てた若者”が、太鼓に夢を懸ける理由 VOL.1
だから私、「WADAIKO」を世界の共通言語にしたいんです。こんなに素晴らしい楽器があるんだよってことを知ってほしいんです。
ーではまず鼓童のメンバーにならないといけませんね。
はい。それもオールマイティーな奏者になりたいんです。
ーどういうことですか?
太鼓だからといって……やっぱり男の人には負けたくないです。男性的な、力強い音も叩きたい。でも反面、女性にしか出せない音、女性らしい音も魅せられるような、そんなオールマイティな奏者になりたいと思っています。
ーそう思うのはなぜでしょう。
欲張りなんでしょうね。一つに絞れないというか。研修所に来る前は、男性に負けないようにって、大きな、力強い音を叩こうとしていたんです。でも研修所に来てからは、女性にしか出せない音もあるということを知りました。私もそんな音を出せるようになりたいなあとも思います。でも、女性だからって、女性らしく叩くだけがすべてじゃない。そういう欲もしっかり自分の中に残っていて。
ー枠に収められたくない?
10の選択肢があったとしたら、そこに100の選択肢を見出したい(笑)。
ーなるほど(笑)。現状に満足しないんですね。