「ソーシャルメディアに誘拐された」と話すアーティストが考える、“現実世界とSNS上に生きる二人の私”
ソーシャルメディアを頻繁に使っている現代人にはお馴染みの「いいね!」や「タグ付け」、「フォロワー数」。それらの表示をタトゥーシールにプリントして人の顔に貼る作品を制作するアーティストがいる。台湾人アーティストJohn Yuyi(ジョン・ヨウイ)だ。作品のモチーフはそれらにとどまらないが、ソーシャルメディア特有の要素や、そこにアップロードされた写真が拡散されていく無限のループなどを表現することの少なくない彼女。近年ではGucci(グッチ)などハイブランドや、NYLON JAPAN(ナイロン ジャパン)のようなファッション誌のアートワークを手がけたことでも世界的に知られている。そんな彼女が日本に滞在していることを聞きつけ、筆者はインタビューを申し込んだ。Instagramのフォロワーが14万人以上いる彼女の、SNSとの付き合い方はどんなものなのか直接聞いてみたかったのだ。

John Yoyi(ジョン・ヨウイ)
友だち同士のコミュニケーションツールから仕事を得るものへ
彼女とのインタビューを行ったのは、8月のとある日。
まずは、1991年生まれで現在27歳の彼女のソーシャルメディア遍歴から聞いてみた。