【オスカー総括】『英国王…』が横綱相撲 30〜40代監督席巻で世代交代の波?
『ソーシャル・ネットワーク』は先述の脚色賞に加え、編集賞、作曲賞とスタッフ部門では受賞したものの、作品、監督、主演男優という主要部門ではことごとく『英国王のスピーチ』との直接対決で苦杯をなめる結果に。賞レースの序盤を圧倒的な強さで牽引したが、やはり後半失速した感が否めない。「Facebook」の誕生の背景という物語の内容はもちろん、演出の部分でもフィンチャーの切れ味の鋭さが目立った本作だが、アカデミー会員を唸らせる、という意味では正攻法のドラマ『英国王のスピーチ』の後塵を拝した。
ちなみに部門数では『英国王のスピーチ』と『インセプション』が最多タイの4部門、続いて『ソーシャル・ネットワーク』が3部門を獲得。『トイ・ストーリー3』、『アリス・イン・ワンダーランド』がそれぞれ2部門で受賞している。10部門ノミネートされたコーエン兄弟による西部劇『トゥルー・グリット』は無冠に終わった。
また、今回の監督賞候補者の5組6名のうち、フィンチャーとダーレン・アロノフスキー(『ブラック・スワン』)の2人が40代で、トム・フーパーにいたっては、1972年生まれでいまだ30代!確実にハリウッドの世代交代は進んでいると言えそう。