『eatrip』野村友里監督インタビュー “食”で体感、生きるためのスパイス
また、ご住職さまがおっしゃった『娑婆がいい、娑婆が。人は活き活き生きたいんだよ』とお話いただいた事もとても印象的でした」。
ただ彼女はこの映画で大上段に構えて、「食とはこうあるべき…」と訴えたいというわけではない。あえて言葉にするなら「食べたい」という欲望に素直にいることの大切さを伝える、ということだろうか。
「食べるは受け身だけでなく自分の意志も必要なことだと思います。触れたり頭に入れたりするだけなく食は体内にいれて直接の明日生きるエネルギーになる訳ですから、どんな人も生きている限り必要不可欠なこと。食と人の関わりの一部を垣間見ることで自分の生き方にも反映できたり共感できたりするということは皆、今の世を共に生きている同志なのですから、悪いことではありません。映像は必要以上のことを語ったり説明しなくても感じることができる表現方法、記録方法だと思います。
触れられなくても香りがなくてもそんな五感が冴えてくるような人の生きるエネルギーが少しでも静かに伝わればと思っています。お腹が空いた時のご飯みたいに、素直な気持ちで観ていただけたらと思います」。
食=生きる証
ちなみに、野村さんの印象に残っている“食”を描いた映画は?と問うと次々と出るわ出るわ…。