少女から大人の世界へ。映画人が「17歳」を愛するワケ、いま注目したい「17歳」
それは誰にも奪いとることのできない武器なのです。
ただ、気になるのは彼女の今後。父親探しという大きな挑戦を通して得たものも大きいはずですが、そのかわりに大人になることで失う純粋さもあるはずです。それとも、彼女はほかの村人のようにはならず、その純粋さを持ち続けられるのか。今後、リーから失われていくであろう部分にも思いを馳せながら観ると、このドラマが別世界で起きている単なる他人事ではなくなるはず。何かを得ることで別の何かを失っていくというのが人間の成長なのですから、17歳だった自分を思い出しながら、リーの刹那的かつ力強い若さに酔うというのも、この映画のひとつの楽しみ方なのかもしれません。
(text:June Makiguchi)
特集『ウィンターズ・ボーン』
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ウィンターズ・ボーン 2011年10月29日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開
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