玉木宏&袴田吉彦インタビュー 歴史に向き合い、歩み続ける2人が感じた“時代”
「軍人でも民間人でもなく、その間に立って両方が見えるという立場。台本をいただいて読んだときに、真藤はセリフが少ないこともあって、僕自身、客観的に読み進めていた部分がありました。この真藤の目線で物語を見ていくというのが最も分かりやすくもあり、また新しい描き方だとも感じました。演じる上でその立ち位置を守り、間に挟まれる人間として“グレー”でいなければいけない、という点を意識しましたね」。
加えて玉木さんはナレーションも担当。劇中、決して出番が多くはない中で自分が出演していないシーンに“ストーリーテラー”として存在するということが本作での大きな挑戦だったとふり返る。
「面白くもあり、難しくもありました。邪魔にならないように存在感を残す…。
それが“どこ”なのかを探りつつやっていました。ナレーションは最初に一度、全て録ったんですが感情が強すぎて、距離感が近くなってしまっていたんです。そうなるとみなさんの芝居の中で邪魔者になってしまう。実は淡々と読んでいくことが観る人の耳に最もスムーズに入っていくんだというのを感じました」。以前、特攻隊員の役も演じたことがある袴田さんだが、今回は新聞社の喧騒の中でのシーンが中心。