『セイジ』伊勢谷友介監督インタビュー 前作から8年を経て芽生えた「使命感」
だけど、僕は人間としてセイジを描きたかった。彼に人間味を持たせたかったし、人間だからこそできるというのを伝えたかったから、原作にはないセイジがHOUSE475に至るまでの物語を描きました。最後にセイジが取る行動に関しても、彼がそうするに至る衝動や彼の中での道理というのを観る人に感じてもらいたいです。正直、そこは西島さんなくして成立し得なかったところなんですが…。『もしかしたら、そうしちゃうかもしれない』というところまで感じてもらうことができたら、何をもってして“人を助ける”と言えるのか?ということを考えるきっかけになると思います」。
西島さんの話が出たが、かつて『CASSHERN』でわずかに共演経験のある西島さんに対する伊勢谷さんのスタンスは“信頼”の一言に尽きる。先述のラストシーン近くでセイジが取るある行動についても「30稿書いて誰からも『納得できる』とは言ってもらえなかったけど、西島さん自身はそのシーンに全く疑問を持たず『できるでしょ?』と言ってくれました。それは本当に心強かったです」と感慨深げにふり返る。
本作の撮影前にアミール・ナデリ監督の『CUT』に出演していた西島さんは体脂肪をギリギリまで落とした状態だったが「俳優の状況も含めて映画はナマモノなので」