【アカデミー賞】歴史を塗り替える快挙の数々をふり返り
と言えるまでには、ノミネート常連ならではの並々ならぬ重圧とプレッシャーもあったはず。ストイックな女優魂と愛情あふれる彼女の快挙に、サンドラ・ブロックら涙を浮かべる女優たちの姿も見られた。
さらに、外国語映画賞においても『別離』がイラン映画としては初のオスカー受賞という快挙を果たした。ノミネート自体、実に13年ぶりの快挙であったが、それまでにもベルリン国際映画祭での史上初の3冠を始め、セザール賞にインディペンデント・スピリット賞と、本作に対する欧米での高評価はイラン映画としては近年稀に見るほどであった。受賞スピーチの舞台に立ったアスガ―・ファルハディ監督は、「多くのイラン人が世界各国で我々を見ており、喜んでいただいていると思います。いま戦争の話、そして攻撃の話が出ています。そしてイランという国は我々の文化と離れて語られており、政治の影に隠れてしまっています。この賞をイランの人々に捧げます。
あらゆる文化、あらゆる文明を尊重する国民です。そして憎しみ、そして敵対的な行動を憎しむ国民です。ありがとうございました」と、イランの国民・文化についての理解を訴えると共に、新たな歴史の1ページがもたらした希望を世界に向けて発信した。