『レンタネコ』市川実日子 心の穴ぼこは「埋める」から「ほうっておく」へ
市川さんも、意外にも結婚願望の強いサヨコに共感。「ひとり暮らしを始めた頃は楽しかったと思うんですよね。すべての時間を自分のために自由に使えるという醍醐味もあるし。でも、寂しさって突然にやってくるもので…たまーに寂しくなるんですよね」と、哀愁をふくんだ笑みを浮かべる。
そんなサヨコの寂しさをからかうように、何かとちょっかいを出してくる謎の隣人を、ラジオDJとしておなじみの小林克也が、まさかの女装で演じているのも面白い。「本番で笑わないようにするのが大変でした(笑)。普段のしゃべり方はとても男らしい方なので、なおさら可笑しいんです。サヨコとの絡みも面白いし、何よりもあんなに正直に話してくれる隣人っていいですよね(笑)」と語るように、小林さんの演じる隣人のセリフは笑いと共に心にしっかりと突き刺さる“何か”を持っている。
また、17匹の猫たちからは猫と暮らす良さ、動物が与えてくれる癒しを感じるはず。もともと犬派だった市川さんも「猫との距離がぐっと近くなった」と、猫に囲まれた現場をふり返る表情はなんとも和やかだ。「同居人」のような猫の存在
「サヨコは、猫~!っていうように極端にかわいがるタイプではないので、ほどよい距離感を保ちつつ、猫は猫、サヨコはサヨコっていう感じで現場に臨んでいました。