くらし情報『アルモドバルが、生きるファッション。史上最高級の「オートクチュール」とは…?』

2012年5月21日 18:21

アルモドバルが、生きるファッション。史上最高級の「オートクチュール」とは…?

形あるものは、いつかは無になる世の常を考えると、守るべきは自分の内面=尊厳であるというところに行き着くわけです。

本人の意に沿わない何かを強制されることが残酷なのは、意志に含まれる価値観をも否定するからというのが、アルモドバルの理論なのかもしれません。服は単なるモノでありながらも、自己の表出。そこに尊重すべき価値観があるのなら、強制するのは残酷なことという理論、良くわかります。

アルモドバルが提示する「オートクチュール」

服についてだけ考えたとき、それは大した問題だと感じない人もいるかもしれません。学生時代、私の学校には制服があったのですが、それを規則通りに着ること、そもそも制服自体を着ることに抵抗していた同級生も数人いました。彼らがファッショニスタだったかどうかはわかりませんが、少なくとも何かを押し付けられ、「こうしなさい!」と言われることに嫌悪し、反発していたのでしょう。服、肌だけでなく、ものの考え方から、食べ物まで、人は自由に選びたいと思うものです。
もちろん、自由には責任が伴いますから、学生には許されないことも多く、それとのせめぎ合いが彼らを多少苦しめたのかもしれません。ただ、今思い出してみると、全てをどうでもいいと思い始めたときに、自分を失い始めることに、彼らは早くから感づいていたのかもしれませんね。

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