『るろうに剣心』綾野剛インタビュー 自己を見つめる時間、「優しくできるようになった」
その内面が深く説明されることはないが「彼岸花のような哀しい男」というのが綾野さんが彼に抱いた印象だった。
「“かわいそう”ではなく“哀しい”男です。この哀しさというのが外印を演じる上での精神的な部分での支えになりましたね。映画で描かれることはなくても、彼の真意や火傷の意味というのを自分で持ってないといけない。僕の中で彼は、忘れてはいけない過去を背負い、変えなきゃいけない何かを追い続けている男。あの火傷はそれを忘れないために自分でやったものだと思っています。髪の毛に関しても、想像を絶するものを目の当たりにして色素が飛んでしまったというイメージで、衣裳合わせのときに『金髪でどうですか?』と提案したんです」。
決して全ての作品で役柄のバックボーンを考えるわけではない。
むしろ「ここまで追いかけたのは久々だった」という。大切なのは作品の中でそれがどう活きるか。
「例えば『ヘルタースケルター』に関しては役の背景なんて一切考えなかったし、ただ深く堕ちていく“記号”のような存在でいいと思って演じていました。なぜならドラマは(主人公の)りりこにあって、奥村がドラマを欲しがる必要がないから。でも今回は剣心(佐藤健)