『人生の特等席』監督インタビュー “師匠”クリントと歩んだ監督デビュー
彼にとって監督をすることは自然なことだから。だから、それを避ける唯一の方法は、しっかり準備していくことだと思った。僕には映画のビジョンがあったし、フィルムに何を描きたいか分かっていた。だから僕は自分のショットリストを持参したし、かなり早いペースで撮影していったんだ。だから迷いとか、彼が入って来るような瞬間はなかったよ。でも彼は僕の友人でもあるし、彼がどのぐらい映画の現場にいることを楽しんでいるかを知っている。そういったほかのことを頭の片隅に追いやって、楽しむように心がけたよ」。
さすがは長年、共に映画を作り続けてきた間柄だ。
しかし監督デビュー作にして、“名優”クリント・イーストウッドを起用するということは、さぞやプレッシャーがあったのでは?
「それが、自分が思っていた以上に楽しめたんだよ。クリントのためにプロデュースするのは、それなりに不安がつきものだからね。なぜならいつも僕が、すべての要素を用意しないといけない。全てのクルー、機材、ロケーション選びにスタジオの手配といったね。クリントはあまり準備をするのが好きな人ではない。彼は物事が自然にオーガニックに広がっていくのが好きなんだ。だから、かなり予想しながらやらないといけなかった。